勉強方法

成績アップには運動するべき【勉強の効率がアップする運動紹介】

最近の休校期間で、学校の体育の時間もなく、また外出禁止で運動しにくい状況が続きました。実はこれは大変危険なことだったのです。

 

スウェーデンのブンケフロのある小学校では、学力と運動の関係を調べるため、毎日体育の時間があるクラスを設定しました。そしたらなんと、毎日体育をしたクラスは算数・国語・英語において成績が明らかに優秀だったことがわかりました。さらにその効果はその後何年間も続いたそうです。

 

こういった研究から、運動をすると頭がリフレッシュされるだけでなく、脳科学的にもとても重大な効果があるということが明らかになってきました。

 

本日はその運動と学力について解説していきます。これで明日からは、1日10分の運動が習慣となるでしょう。

学力物質BDNF

なぜ、運動が学力に良い影響を与えるかというと、運動をすることで様々なホルモンや脳物質などが分泌されるからです。それらが認知機能や集中力を高めるため、勉強効率は各段にアップするということになります。

 

その中でも、最近の脳科学で注目されているのはBDNFという物質です。

 

これは、脳由来神経栄養因子とよばれるタンパク質の一種で、脳内で記憶の役割をする海馬に多く含まれています。

 

そして、このBDNFは神経細胞の発生、成長、維持、再生を促し、脳の栄養とも呼ばれています。

 

なんと、アルツハイマー患者の海馬を見てみると、このBDNFの発生が低下していることが研究で明らかになっています。

 

また、マウスを使った実験で、BDNFを減らしたマウスは学習機能が著しく低下していたといこともわかりました。

 

これらから、BDNFは学習機能を高めるということがわかります。そして、このBDNFは運動によって出るので、運動が学習と関係があると言えるのです。

 

運動によって分泌される主なホルモン

セロトニン

セロトニンとは、心を落ち着かせて、安定させる効果があると言われています。

 

さらに、最近の慶応義塾大学医学部のグループの研究で、セロトニンは目標を達成するまで粘り強く行動を続けるのに必要な物質であるということを明らかにしました。

 

セロトニンを高めると、粘り強く勉強を続けることができます。

 

セロトニンは運動のほかにも、顎を動かすことで活性化されることがわかっています。そのため、ガムを噛んだり、声に出しながら勉強するといったことが効果的です。

 

テストステロン

テストステロンにはやる気を向上させる効果、集中力を高める効果、記憶力を増強させる効果があると言われています。

 

優秀な株のトレーダーはテストステロン値が高いという研究も出ています。また、80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんは、テストステロン注射で、トレーニングのやる気が回復したという話もしています。

 

テストステロンは激しい運動をすることで分泌されるので、ストレッチより、筋トレの方が効果的です。また、テストステロンは男性ホルモンの一種ですが、適度な運動で女性でも分泌されます。

 

 

受験生におすすめする運動

受験生には時間に余裕があるわけではないので、時間のランニングやウォーキングはおすすめできません。具体的にどういった運動をすればよいか紹介します。

 

アイソメトリック

アイソメトリックとは、日本語では「等尺性筋活動」と言い、関節を維持した状態で力を入れ続けるトレーニング方法です。

 

例えば、腕立ての姿勢で腕を曲げた状態を10秒間維持するだけです。この時、腕の関節が曲がった状態を維持するために力を入れます。この力を入れた状態を10秒維持することで効果があります。

 

もし腕立ての状態が厳しければ、体の前で手のひらを合わせて、グーっと10秒間力を与え続けます。これも、アイソメトリックのトレーニングになります。

インターバルトレーニング(HIIT)

インターバルトレーニングとは短時間トレーニングと休憩のセットを繰り返すトレーニング方法です。このトレーニングのメリットは短時間で、効果を得られることです。

 

例えば40秒のスクワットや腕立てをして、20秒の休憩を5セットほど繰り返します。トレーニング時間は5分程度ですが、30分~1時間ほど運動した効果が得られると言われています。

 

時間のない受験生は、これを勉強を休憩時間や、学校から帰ってきた後など、1日2セットやるだけで、かなりの運動をしたことになります。

 

デメリットとして、高い負荷がかかるので、けがをしてしまう可能性があります。しっかりストレッチをしたうえで、はじめは負荷を少なくしてトレーニングをするといいでしょう。

 

 

参考『慶応義塾大学プレスリリース「根気」(こんき)を生み出す脳内メカニズムの発見』

参考『東洋経済オンライン「子どもの学力と体力の知られざる深い関係最新の脳科学でわかった運動の重要性」』

参考脳海馬で合成される男性・女性ホルモンは記憶力を増強する』公益社団法人日本生化学会

参考『日本顎口腔機能学会雑誌』