【絶対ダメ】スマホが近くにある勉強【効率最悪】

スマホが手元にあると勉強に集中できない、という声を良くいただきます。同じ悩みを抱える人も少なくないのではないでしょうか。

そこにスマホがあるだけで集中力は奪われる

最近の研究ではいろいろなことが分かってきました。

米テキサス大学オースティン校の心理学者エイドリアン・ウォード氏が行った実験を紹介します。

800人の被験者に二種類の難しい精神作業を与える実験を行いました。一つ目の課題は、ランダムに並んだ文字列を暗記しながら数学の問題を解くというものです。二つ目は、いくつかの選択肢の中から、視覚的な図形を完成させるための画像を選ぶというものでした。

そして、800人の被験者はいくつかのグループに分けられました。わかりやすく2つのグループを紹介します。

グループ①は自分のスマホを別の部屋に置いておくように指示された人たち。

グループ②はスマホをポケットに入れたままにしておくか、机の上に置いてもらった人たち。

当然、結果は圧倒的にグループ①の人たちが、もっともよい成績を上げました。

スマホは課題をこなすにはなんの役にも立たないが、これがどれだけ手に取りやすい位置にあるかは、被験者の成績に影響を与えるということが証明されました。

そしてさらに興味深いことが分かっています。

なんと、電源を切ってスマホをポケットに入れた人にもかなりの認知機能の低下が見られました。

これは、無意識に数分、数十秒に一回、ポケットのスマホに気を取られてしまい、そこから「見ちゃダメだ」「気にしちゃダメだ」とその感情を、押し殺す必要があるからです。

その感情の切り替えには、何と脳の処理能力の10%近く使われます。

これが数分や数十秒の一回訪れたら、それは作業効率は落ちますよね…。

これらの実験から、スマホは勉強しているところの近くにあるだけで、効率が悪くなるという事が分かります。「使わないから大丈夫」とはもう通用しないという事ですね。

「ながら勉強」の方が集中できるは真っ赤なウソ

しかし、きっとお子様の中には、「スマホが近くにあった方が集中できる!」「音楽を聞いたほうが集中できる!そのために使う!」などと、おっしゃるかもしれません。

それは真っ赤なウソです。科学的に間違っています。

何かをしながら勉強する、いわゆる「ながら勉強」というのは、集中できないことが分かっています。

しかし、それでも、「いや、集中できる」と言い張る人は少なくありません。

そのように言い張るのには、理由があります。確かに脳内であることが起きているのです。

実は、「ながら勉強」をすると、気持ちよく勉強することが出来ます。けっして「集中」はしていません。なぜ気持ちよく勉強ができるかというと、これは脳の構造に関係します。

人間は「ながら勉強」の様に、同時に複数の作業を行うマルチタスクをすると、脳に快楽物質のドーパミンが分泌されます。そのドーパミンの分泌により、気持ちよく勉強できる(した気がする)のです。

これは、人間のDNAに由来しています。大昔、人間の祖先は周りが外敵だらけの世界で暮らしていました。自分が襲われるかもしれない状況ですね。その際、もし一つのことの集中していたらどうなりますか?きっと、外敵に滅ぼされ、今の私たちはいないでしょう。

つまり、生きるためには、周囲に気を向けてなくてはいけません。食事をしながら遠くを警戒したり、狩りをしながら背後の動物に注意をしたり、常にマルチタスクです。

こうして、マルチタスクをすることが不可欠なので、マルチタスクをすると脳が報酬としてドーパミンを出すように人間のDNAに刷り込んでいったのです。

さて、話がそれましたが、「ながら勉強」はマルチタスクによる、勉強した気にしてくれるだけという事です。「集中した」と勘違いしないようにしてください。

さらに「そこにスマホがあるだけで集中力は奪われる」でもお伝えしたように、スマホがポケットにあるだけで脳の処理能力が分散されてしまうことが分かっています。

「ながら勉強」も当然脳の作業能率が分散されるため、勉強効率は悪く、決して集中できるとは言えません。

対処法

わかったところで、どうにもならないという人が多いかもしれませんね。スマホはドラッグともいわれるくらい依存性が高いですからね。でも、どうにかしなくてはいけない、という事でいくつか紹介します。

とにかく大事なことは「物理的に遠ざけること」です。

対処法①「スマホがない勉強場所に行く」

家であれば、リビングにスマホを置いて、自分の勉強場所に行くといったように、物理的な距離を取ることが効果的です。

また、まさかとは思いますが、スマホ使用が許可されている塾なんか行っていませんよね?

スマホは電源が入っていなくても、ポケットにあるだけで、脳の作業能率が落ちると説明しました。

自分の視野にスマホを使っている人がいるだけでも同じことが起こります。自分はスマホを持たないで一生懸命勉強していることろで、他の生徒がスマホで遊んでいたら最悪です。

とにかくスマホがない場所を探し、そこに自分の勉強場所としましょう。

対処法②「ロッキングコンテナを使用する」

物理歴に触れないようにすることを目的とするならば、ロッキングコンテナの使用も効果的です。


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初めて耳にする人もいると思いますが、かなり強力です。

これは、タイマー式のカギのついた箱です。箱の中にスマホを入れてタイマーロックをかけます。こうすることで、スマホを触りたいと思ってもロックがかかっているので取り出せません。

ただし、スマホの入ったコンテナを目に付くところに置いてはいけません。この状態で、さらに目の付かない机の引き出しの中や、カバンの中などにしまいます。当然音(バイブ音)も聞こえないようにしなくてはいけません。

参考文献

今回は『スマホ脳(新潮新書)』(アンデシュ・ハンセン著)を参考に、元塾長の経験を加えて記事にしました。


これは、普段の勉強から、学習環境、そして子育てなどを考えるうえで、かなり参考になる本です。まだまだ驚くことがたくさん書いてありますので、よかったら読んでみてください。

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