「自分で考えて行動してほしい」
「自ら勉強してほしい」
「計画的に勉強してほしい」
「子どものやる気がない・・・どうしよう」
子育てをしていて、このようなことを思ったり、イライラしてしまったりしたことありませんか。
私は定期的に子どもたちと面談する機会を設けるのですが、そこではコーチング法を意識して、子どもたちと会話をするようにしていました。このコーチングというのが、実はこれらの悩みに効果的なのです。
コーチングというのは、ビジネスシーンでよく登場する言葉です。書籍もたくさん出ています。
詳しくは本編で紹介しますが、コーチングには、自分で考えて自発的に行動出来るようになる効果があります。
そのコーチングを子育てにも応用することが出来ます。そして、このコーチングを意識したコミュニケーションをとれば、子どもたちは自分で考えるようになります。
この記事では、そのコーチングの考え方や技術を使った、子どもとのコミュニケーション方法についてお伝えします。
目次
コーチングについて
コーチングとは
コーチングとは会話を通して、相手の潜在能力や意欲を引き出し、最大限の力を発揮させることを目指す能力開発方法です。また、自発的な考えや行動をサポートします。
ちょっと難しいですね。もう少し砕いて言うと「自分で考えて行動し、やる気と潜在能力(ポテンシャル)を高める」ことを目標としたコミュニケーション方法です。
日本でもビジネス分野で、経営者やマネージャーの研修などで用いられるようになりました。
「自分の持っている知識や経験を伝える(与える)」ティーチングとは異なることに注意してください。コーチングとティーチングは別物です。学校のクラブ活動などのコーチは、どっちかというとティーチングに近いですね。
コーチングの効果
コーチングを活用することができたら?
・自分で考え行動できるようになる
「勉強しなさい」と言わなくてもよくなります
自分で目標を設定し、計画を立てて勉強に取り組めるようになります
受け身から脱却できます
・モチベーションUP
いやいや勉強する姿を見なくてもよくなります
モチベーション高く勉強しているため、結果が出やすいです
何事にも前向きに取り組めるようになります
・潜在的な能力が発揮される
今までなかった能力が発揮され、子どもの可能性を引き出すことが出来ます
コーチングに必要な土台
急にコーチングを実践しても効果はありません。テクニックだけは通用しません。しっかり土台を理解したうえで、3つの方法を実践するようにしてください。
コミュニケーションを増やす
いきなりコーチングのテクニックを実践しても、子どもがびっくりするだけで、逆効果になってしまいます。大人でも普段あまり話さないのに、いきなりグイグイ来たら引いてしまいますよね。
コーチングは会話の中に用いる方法なので、はじめにコミュニケーションを増やしておくことが必要です。
コーチングに必要な姿勢を理解する
・相手を信じる
子どもを信じてあげてください。間違えてしまうかもしれないけど、自分で考えられるはずです。はじめから、考えられない、能力がないと決めつけないで接しましょう。
・相手に機会を与える
子どもに考えや意見を言う機会を与えましょう。
これも普段のコミュニケーションから与えてあげることが大事です。いきなり「はい、意見をどうぞ」と言っても、なかなか自分の意見を言うのは難しいです。
テレビなど見ながら「これ、どう思う」などという言葉を投げかけてあげると良いでしょう。
・相手を認める
子どもの考えや意見を認めてください。
一方的に否定されてしまうと、反発につながり、「じゃあ、もう考えない」「初めから答え教えてよ」といった考え方になってしまいます。親のがまんが必要です。
コーチングを実践する
さて、コーチングに必要なことがわかったら、いよいよコーチングの実践です。
話をよく聴く
相手の話をよく聴いてあげましょう。聴き方にポイントがあります。
・相手の考えを否定せず、肯定的に話を聴きます
「でも」「だけど」「いや」などの否定ワードはNGです。
コーチングに必要な姿勢でもお伝えしたように、否定は反発をうみます。できるだけ、子どもの意見を否定しないようにしましょう。ただし、どうしても譲れないことに関しては仕方がない場合もあります。そういったときは、一度話を受け止めてください。
「なるほどね。でもこんな考えもあるよね。」
といったように、必ず一度「なるほど。あなたはそう考えたのね。」と考えたことを認めます。また、後半も「でも、あなたは間違ってる」と否定を続けてはいけません。
相手を認める
人は他人に認めてもらうことで、自己肯定感が高くなります。自己肯定感を高めてあげることもコーチングにおいて、とても重要です。
自己肯定感が高まれば、より良い自分になるため、主体的に努力出来るようになります。
また、認めたことは、言葉にして相手に伝えましょう。言葉にしないと伝わりません。
「認めるところなんかないっ!」という方もいるかもしれませんね。実は日常の生活から認めるポイントはあるものです。
認めるポイント
・変化
「○○出来るようになったんだね!」「今日宿題終わってるんだね!」
・成果
「目標達成おめでとう!」
・事実
「毎日コツコツがんばってるね!」「朝寝坊しないで偉いね!」「お風呂掃除ありがとう!」
何でもいいです。ぜひ声をかけてあげてください。
そして、絶対にやってはいけないのは、他人との比較です。人と比べられても心から喜べません。比べるなら過去と比べてあげてください。
質問して引き出す
自分で考えて行動できるようになってほしいからといって、「自分で考えなさい!」というのはNGです。人は考えなさいと言われても考えることが出来ません。
では、
どうすれば考えられるようになると思いますか?
私たちはどういった行動をとればよいと思いますか?
この質問について、ちょっと考えてみてください。
今、この記事を読んでくだっさている方は、きっと「どうすれば相手が考えてくれるようになるか?」「どういう行動をとればよいか」について考えてくれたのではないかと思います。
実はこの一連が、相手に考えさせる方法です。
相手に考えさせる方法、それは質問をすることです。
人は質問されると「?」が頭に浮かび、考え始めます。
大人でも自分で何か解決策などを考えたいときは、「どうすれば○○の問題が解決できるか?」「どんな行動をとればよいか?」と自問自答をしているはずです。
「考える」と思ってるだけでは頭は働いていないですよね。こちらから導いてあげなくてはいけません。
ここで、私とある子どもとの面談の様子を紹介します。
私「英語の目標が80点だね。どうすれば、80点とれるかな?」
相「たくさん勉強すればいいと思います」
私「なるほど。たくさん勉強ね。何を使う?何が一番効果的?」
相「ワークですかね。」
私「ワークをやると、どういう問題が出来るようになる?」
相「30点分は文法問題なので、そこは確実に取れるようになります。」
私「なるほどね。そしたら残りの50点は?」
相「あ、教科書も暗記しなくちゃいけないです。教科書の内容も出ます。」
私「教科書はどうやって暗記するの?」
相「うーん、たくさん書きます。」
私「よし、じゃあ、ワークと教科書の勉強で、目標の80点がとれるように頑張ろう!」
このように、質問をしながら「目標達成のために必要な勉強」を考えさせています。
自分で勉強法を考えたので、自発的な行動につながります。自発的な行動なので、モチベーションも高くなります。
こういった経験が、考えることの土台となり、途中から質問をしなくても自分で考えて行動できるようになります。
まとめ
子育てにコーチングの考え方と技術を用いると、自ら考えられる子どもに育ちます。とはいっても、きちんとした土台がないと、いくらコーチングをしたところで上手くいかないでしょう。
普段から、子どもの話に耳を傾け、コミュニケーションを多くとることは欠かせません。
その中で、ちょこっとコーチングの要素を入れてみると、大きな効果がうまれるかもしれません。ぜひ、実践してみてください。