目標を定めた経験、ありますよね。また、保護者や教育関係者の方は、子どもたちに目標を定めさせてきた経験もあるのではないでしょうか。
そして、その目標の多くが、未達成であったり、諦めてしまったり、なんとなく自然消滅してしまったりしていませんか。
もちろん、達成した目標もあると思います。その時、自分の脳はどのような思考をしているのでしょうか。そしてどのような行動をしてきたでしょうか。
その仕組みを知ることが出来れば、きっと多くの目標が達成できるようになります。それらの仕組みについて解説していきます。
目次
目標達成しやすい人の考え方
目標を達成する人は、やはり考え方から違ってきます。というか、目標を達成しようと日頃から考えているので、自然と考え方が変わってきています。
実は、小中学生の子どもでも、いろいろな目標を達成してきています。例えば「ポケモンのレベルを99まで上げる」とか「サッカーでレギュラーになる」とか。これらも立派な目標達成です。
その時の考え方を分析し、他の目標でも、自らその考え方に持っていくことが出来れば、目標の達成が増えます。
目標にワクワクする
人はワクワクすると行動につながりやすくなります。
しかし、ただ目標を定めても、なかなか子どもはワクワクしません。ではどうすれば、目標にワクワクするようになるか。
目標達成した先の自分を想像することです。
例えば、「テストで90点以上取る」という目標が、どういった自分につながるかを想像します。
中学生であれば、「90点取れば成績が5になる→5になれば志望校合格につながる→ハッピー高校生活がまってる」のように先まで考えます。そうするとハッピーな高校生活の想像が、ワクワクを与えてくれます。
これが「憧れの先輩と一緒の学校に行ける」でも、「モテる」でもいいと思います。何か行動するための欲が掻き立てられるような想像が出来るといいです。これは子どもだけでは難しいです。周りの大人がヒントを与えながら(意見の押し付けでは意味がありませんが)、導いてあげましょう。
目標は出来るだけ数値化して考える
目標は出来るだけ数値化しましょう。
理由は簡単。進捗具合がわかりやすく、人間は数値目標を持った方が行動しやすいからからです。
今現在、自分の立ち位置はどこか、何が必要か、あとどれくらいの時間がかかるか明確なため、いつまで続くんだろうという不安は無くなります。
果てしない数値の目標を設定してしまった場合、進んでいる感覚がなく、諦めやすくなってしまいます。そういった時は、短期・中期の目標を定めると良いです。
勉強であれば「目標90点」や「60分勉強する」などになります。テストの目標を定めたときに、自分は今何点取れるのか。目標まで何点か。その差を埋めるための効果的な学習は何かというように、具体的に考えられるようになります。
勉強時間でも数値化して目標を立てることをお勧めします。
「60分」「10ページ」のように、目標を立てると良いです。ただし、人間の集中力は長くても120分とされています。ちなみに、これは、集中力を鍛えている人の数値です。
普通の小中学生であったら、持っても30分といったところでしょうか。そのため、15分くらいずつ、インターバルをはさむと、集中力を保って学習することが出来ます。
ただし、目標の数値が非現実的なものではいけません。ちょうどいい難易度(本人にとって高すぎず、低すぎず、能力のすべてを出し切らないと達成できない目標がベスト)を目標の数値にしましょう。
これは、テスト範囲や本人の能力と照らし合わせて考えていかなくてはいけません。
目標達成した未来の自分からアドバイスを受けるイメージで、今自分がすべきことを考える
目標達成は自動的に成せるものではありません。考え、工夫し、努力し、ようやく成し遂げるものです。
そのため、「考えること」と、「行動すること」はとても重要となります。勉強内容を考えるときのポイントは、目標を達成した未来の自分が、今の自分にアドバイスを送ってあげるイメージを持つことです。例えば「ワーク3周やったよ」「単語は全部覚えたよ」のようなイメージです。にこれも出来るだけ具体的に。
効果的な理由は2つ。1つ目は、目標達成した自分からのアドバイスなので、他人からもらうアドバイスより納得して受け取ることが出来る。2つ目は、目標を達成しているためポジティブな感情を持つことが出来る。
このような考え方を身に付ければ、自ら考える力も向上し、より様々な目標を達成することが出来ます。さらに自ら考える子を育てる方法として、コーチングの実戦があります。コーチングについてはこちらでまとめています。
考え方のまとめ
・目標にワクワクしよう!
・目標は具体的に考えよう!
・未来の自分からアドバイスをもらおう!
目標達成しやすい人の行動
分析→計画→行動
行動をするにも、正しい方法で努力しないと効果はありません。逆に間違えた方法で努力すると、「あれだけ勉強したのに・・・」「やっぱり勉強苦手・・・」とネガティブな考え方になってしまいます。
正しい方向に、最短距離で、全速力で行動することが、目標達成の近道です。
つまり、目標を達成するには、「正しい方向」や「最短距離」を考えなくてはいけません。そこで欠かせないのが「分析」です。
テストに例えると、「どういった問題が出題されるか」「自分がさらに得点できる問題はあるか」「よくやるミスは何か」などを分析します。※ここだけしか勉強しないというような、山を張ることとは違うので、注意してください。
そして、その分析の結果から必要な勉強を考えて、勉強計画を練ります。後は行動あるのみです。
分析と行動の例
目標「私は数学の模試で偏差値60をとる。」
分析
・偏差値60は、およそ60点必要。私は今50点。あと10点。
・私はいつも関数の比較的易しい問題(式を求める問題や変域を求める問題)で失点している。ここであと3点取れる。
・計算問題でのミスが目立つ。→四則混合でミスがある。ここであと5点取れる。
・確立が苦手。ここであと3点取れる。
計画
・関数の基礎を覚え直す。学校や市販の問題集を解く。ただし、まずは基本問題だけ。
・計算ドリルで四則混合問題を繰り返し練習。
・確率は一度テキストなどを見直す。ただし、理解できない部分は学校の先生や塾の先生に質問する。
目標を達成しやすい人は、このように考え、正しい勉強をしているのです。よく、「あの人は要領が良いから」と言いますね。要領の良いというのは、効果的なことを実践しているということです。分析が上手で、何をすべきかをきちんと考えて行動しているだけなのです。
しかし、小中学生が正しい分析や計画を立てるのは、少々ハードルが高いです。そのため初めのうちは、保護者や学校・塾の先生と一緒に分析するといいでしょう。
トライ&エラーで強くなる
前項で、分析をすることで、正しい努力ができるようになると述べました。
ただし、失敗はつきものです。想定と違うこともあるでしょう。そこで、「やっぱり自分はダメだ」と思ってはいけません。考えた経験は、必ず力になります。
「次はどうしようか」「こういう勉強すればもっと点数が取れるようになる」と振り返りはポジティブに、そして客観的に行いましょう。計画した勉強が出来なかったということもあるでしょう。その時も、何が原因かを分析します。
初めから何もかも、うまくいく人はいません。トライしたことが成長です。ただし、それを継続していくことが大切です。
行動のまとめ
・分析→計画→行動で正しい努力をしよう!
・トライ&エラーで強くなれ!1歩踏み出すことが、すでに成長です。
さいごに
さて、今回は子どもたちの視点に立ち、勉強ではどのように目標を設定し、考え、行動していくかという記事を書きました。まず勉強において、多くの方に成功体験を増やしてほしいということ、私も実際に教育現場で行ってきたということが理由です。
ただし、勉強でもスポーツでも趣味でも、目標はたくさん存在します。そして、目標達成できると、その分成長することが出来ます。
大人になると、100個の目標を持つといいと言われています。内容は仕事や趣味など幅広く、目標を設定します。その目標の分だけ、成長が待っているかと思うと、人生楽しく過ごせそうです。
この目標設定の経験を通して、大人になっても、目標を達成しやすい思考と行動を身につけていただけたら幸いと思います。